REPORTレポート

街の想いが込められた“桜ライトアップ”ドキュメンタリー
2024.04.15

街の想いが込められた“桜ライトアップ”ドキュメンタリー

中野駅北口を出て左手、南北に延びる中野通りには北に向かって約420本もの桜が続いています。

昭和30年代から植えはじめられたこの桜並木は、昔から多くの中野区民に愛されてきました。

春にはここに多くの提灯が並んでいたシーンを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

コロナによる中断の後、再開が検討されたのですが資金や担い手の課題などが大きく、地元町会主催による中野通りでの提灯演出は見送られることとなりました。

それでも中野駅前の地域資源であるこの桜並木に再びスポットライトを当てよう、また夜桜を楽しんでもらいたいという思いが高まり、地域の方々、中野区観光協会と共に我々つくるのなかの(中野サンプラザシティエリアマネジメント準備会)が中心となって桜ライトアップに取り組みました。

今回のレポートは、ドキュメンタリータッチ(?)な感じで今回のライトアップが実施されるまでの裏側も含めてお伝えしたいと思います。

2023年秋 計画スタート スタートするにあたり、最初に課題になったのが専門的なところを誰にお願いすればよいのかという点です。そこで、レンガ坂のイルミネーション演出をされていたグランクール中川さんにお声がけをしました。中川さんは新井に事務所を構えて活動されている照明デザイナー・空間デザイナーさんです。

次に大きな課題が予算。

東京都観光財団への助成金を活用する計画を立て、それに向けて企画を練っていたのですが、地域の方々・企業からの協賛金をいただいたとしてもどうしても当初構想を練っていた範囲の設置が難しい。。。

何度も話し合いを重ね、初年度は対象範囲を限定して実施しようということになりました。

3年をかけて中野サンプラザ横から、新井五差路までつながる光の桜トンネルをつくるというのが我々の目標です。

2024年はその第一歩目。

助成金認可、そしてその後の想定外のトラブル

なんとか計画・予算案をまとめ、無事に助成金の認可も下りて一息。という訳にもいきませんでした。

購入を予定していた照明器具が工場の都合で予定の納期に間に合わない!!

そこから再度器具を選びなおし、照射テストをし、在庫確保の目途も立ち、助成金申請の修正手続きもし。。。告知や設置工事の準備開始のリミットも迫る中、なんとか実施にこぎつけました。

自然を相手にするということ

もう一つ大きな問題が、「ライトアップ期間をいつにするのか?」ということでした。

自然を相手にすることなので、すごく難しい。予想できない。

近年は開花時期が早い傾向もあり、「咲いているのにライトアップが間に合わない」という状況は避けたいですし、「まだ咲いているのに先にライトアップが終わっちゃっている」というのも避けたい。設置・撤去の工事や道路使用の許可、タイマー制御の設定などの都合もあり、始まってから変更するというのもなかなか難しいんです。

いろいろと話し合った結果「早めに始めてもデメリットは無いだろうし、散ってしまった後まで照らされていたとしてもそれはそれで新緑がきれいなんじゃないかな」ということで、3月15日から4月10日までとなりました。

そう決めたときは、4月10日にはすっかり葉桜になっているんじゃないかなと思っていましたが、今年に限ってはこの期間で良かった!

みなさんご存じの通り、2024年は桜の開花が遅い年でした。

満開になったのは4月4日で、平均よりも4日遅れ、前年と比べるとなんと13日も遅れてとなりました。

そのおかげで、4月10日の最終日まで桜の花が残るライトアップとなりました。

企画・準備している側としては、「いつ咲くの?」と非常にヤキモキしていたのが本音ではありますが(笑)

ライトアップの告知

機材の目途もたち、実施期間が決まれば今度はより多くの人にこのイベントを知ってもらうこと、つまりPR活動の開始です。

中野通りの桜演出が中断期間を経て再開するということ、またライトアップ自体は今回が初めてということもあり、チラシ作成には気合が入りました。

実際のチラシは表面がキラキラ光るような加工を施しているのですが、ゲットされた方はいますか?

中野駅構内のラックに置いたチラシは、多くの方々に手に取っていただくことができました。

また、JR中野駅北口改札前の横断幕も設置し、駅を利用する多くの方々に見ていただきました。

光の桜トンネル

いつ咲くのか、満開はいつなのかとヤキモキしながら待った今年の桜開花。

東京では4月4日に満開となりました。

満開を迎えた週の土曜日、中野通りに足を運ぶとスマホやカメラを掲げて写真を撮られている方々を多く見かけました。  外国人の方も足を止め、桜の前で記念撮影されていたり。


中野通りと早稲田通りの交差点から臨む光の桜トンネルは幻想的であり美しい空間でした。

ここまで来るのに(ここでは書ききれていないようなものも含め)いろいろありましたが、足を止め夜桜を見上げている方や写真を撮られている方々の姿を見ると、やれてよかったなぁと心から思いました。また同時に、この中野通りの桜が中野の人たちに愛されているんだなとも感じました。

地域の皆さんと一緒に

このライトアップは今回だけのものではなく、来年以降も続けていきたいと考えています。当初の構想のように、中野サンプラザ横から新井五差路までがつながる演出をしていきたいと思います。

今後中野サンプラザの解体が始まりますし、数年後には新しい(仮称)NAKANOサンプラザシティも完成して中野通りの風景も変わりますが、桜並木が中野駅前の地域資源であることは変わりません。
より多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうような取り組みを今後も地域の皆さんと一緒に続けていきたいと思います。

来年の桜もお楽しみに♪





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